運動が刺激になってアナフィラキシーを起こし、じんましん、呼吸困難や血圧低下等がみられることを運動誘発アナフィラキシーといいます。運動誘発アナフィラキシーは、運動刺激が神経を介して肥満細胞からケミカルメディエーターを放出させることにより発症するといわれていますが、その仕組みについてははっきりとはわかっていません。

 また、ある特定の食物で、普段は食べてもなんともないのに、食べた後に運動をするとアナフィラキシーを起こすことがあります。これは食物依存性運動誘発アナフィラキシーとよばれ、運動によって原因食物の吸収が増加して起こるといわれていますが、その仕組みについてもはっきりとはわかっていません。

 運動誘発アナフィラキシーは、通常皮膚症状が運動後30分以内にあらわれ、その後、呼吸困難、発汗、意識障害等があらわれます。食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、ある特定の食物を食べた後2〜3時間以内に運動を行ったときに、運動誘発アナフィラキシーと同様のアナフィラキシー症状があらわれます。例えば、“学校で給食を食べ、昼休みにスポーツに興じてじんましんが出た”というような場合は、食物依存性運動誘発アナフィラキシーを疑った方がいいかもしれません。医師の診察を受けることをお勧めします。

 運動誘発アナフィラキシー対策は、運動制限による予防が最も効果的です。食物依存性運動誘発アナフィラキシー対策としては、原因食物を避けること、食後3時間以内の運動を制限すること等があげられます。詳しくは医師に相談し、その指示に従ってください。

 減感作療法は、アレルギー性疾患に対する根治療法のひとつで、アレルギーのアレルゲンを強い皮膚反応や発作を起こさない程度の少量から徐々に増量しながら注射し、そのアレルゲンに対する過敏性を低下させることでアレルギー反応が起こるのを防ぐという治療法です。特に、花粉症をはじめとする即時型アレルギーに対する効果が認められています。しかし、時として、治療のために注射したアレルゲンによってアナフィラキシー等の副作用が起こることもあります。


 寒冷等による温度変化や、運動といった物理的刺激によってもじんましん等の皮膚症状が起こることがあります。これらは、物理的刺激により肥満細胞からヒスタミンなどのケミカルメディエーターが放出されることによって起こるものです。特に、寒冷じんましんについては、プールや湖などで突然からだの広範囲が寒冷刺激にさらされることによって、アナフィラキシーが起こる場合もあります。

 これらの予防には、温度変化に対して着るものを調節したりして、原因となる物理的刺激を避ける対策が効果的です。

 ハチ毒食物薬物等、原因と思われる物質をいくら調査してもアナフィラキシーの原因が特定できないときに、原因不明のアナフィラキシーとして「特発性」と診断されることがあります。