どのぐらいの割合でアナフィラキシーは発現するのでしょうか?日本ではアナフィラキシーの発現頻度について、詳細な調査は行われていません。ここでは米国の疫学調査報告を紹介します。
(Neugut A.I et al. :Arch Intern Med.161,15-21,2001)
米国におけるアナフィラキシーデータ(推計)
| |
発生頻度 |
アナフィラキシー
リスク患者数 |
アナフィラキシー
による年間死亡者数 |
| 虫毒アレルギー |
0.32〜5% |
1,360,000〜13,600,000人 |
40〜100人 |
| 食物アレルギー |
0.76% |
1,088〜2,067,200人 |
100人 |
| 薬物アレルギー |
ペニシリン |
0.7〜10% |
1,904,000〜27,200,000人 |
400人 |
| 造影剤 |
0.22〜1% |
22,000〜100,000人 |
900人 |
| ラテックスアレルギー |
− |
220人 |
3人 |
| Total |
1.24〜16.76% |
3,287,308〜42,967,420人 |
1,443〜1,503人 |
|
(Neugut A.I et al. :Arch
Intern Med.161,15-21,2001)
米国ではハチ毒を含む虫毒によって人口の0.5〜5%の人がアナフィラキシーを起こしていると推定されています。また、年間40〜100人の死亡が報告されていますが、実際にはもっと多くの人が虫毒により死亡していると考えられています。

米国人口の1〜2%の人が食物アレルギーを経験しており、年間約0.0004%の人がアナフィラキシーを発症していると推定されています。また、食物アレルギーによるアナフィラキシーでの年間死亡者数は約100人報告されています。米国において、食物アレルギーの主な原因食物は、ピーナッツ(落花生)、木の実、甲殻類(エビ、カニ等)、魚、牛乳、卵、大豆、小麦があげられます。1991年の調査では、重症化しやすい食物であるピーナッツ(落花生)、木の実に食物アレルギーを起こす患者は、人口の1.1%(約300万人)と推定されています。

入院患者の2〜3%が薬物アレルギーの既往があり、その2,700人に1人がアナフィラキシーを経験しています。原因薬物のうち、抗生物質(特にペニシリン)、造影剤で発生頻度が高く、ペニシリンは0.7〜10%、造影剤は0.22〜1%の頻度でアナフィラキシーまたはアナフィラキシー様反応を起こすと推定されています。

その他、1988〜1993年に報告されたラテックスによるアナフィラキシー症例は1,100症例以上で、そのうち15人が死亡しています。この報告より、年間220人がラテックスによるアナフィラキシーを起こすと推定されています。
以上のことから、米国人口の1.24〜16.76%がアナフィラキシーを起こし、0.002%が死に至る可能性があり、アナフィラキシーはまれにみられる疾患ではないといえます。 |